内容説明
京都のグラフィック工芸家、井上由季子さんが八年の歳月をかけて集めた京都の包み紙の数々。村松美賀子さんの文章で辿る包み紙の旅。
目次
第1章 出会う、聞く八つのお店を訪ねて(大極殿本舗 「遊び」の余地;亀屋良永 「侘び」と「寂び」;スギトラ果物店 墨の透明感;月餅屋直正 ハイカラはんなり;甘泉堂 「色」を自在に ほか)
第2章 惹かれ、集める井上さんの集めを中心に(点々;まる;縞;格子・市松;柄 ほか)
著者等紹介
井上由季子[イノウエユキコ]
グラフィック工芸家/モーネ工房主宰。京都に工房を構え、一点もののアートでも大量生産でもない、日々の暮らしに温かみを添える作品作りに取り組む。また物作りを通して暮らしの中のデザインを学ぶ寺子屋学校、ギャラリー、ショップを仲間とともに手がける。京都市立芸術大学ビジュアルデザイン科、京都精華大学立体造形科にて講師も勤める
村松美賀子[ムラマツミカコ]
文筆家、編集者。出版社を経て、1997年よりフリーランス。1998年に渡英、二年間ロンドンに滞在の後、2000年に帰国。以来京都在住。各地に移り住み、旅をしながら、暮らしや文化にまつわる文を書いたり、書籍や雑誌の編集を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よこたん
43
“心を込めて作ったものを、それにぴたりと合う紙で包む。” ずっと逢いたかった本! お土産やら差し入れやらで、包みを頂いた瞬間からワクワク。ああ、あのお店の~と一目でわかる包みにニンマリし、へぇ~どこのやろ?なにやろか?と期待いっぱいで包みを解くひとときの楽しいことよ。まだ食べてないけど、もうここから美味しいは始まっている。素朴な柄で少し抑えた色合いの包装紙と、手触りもよい丁寧にこしらえた紙の箱に、紙袋。取っておきたくなる。たまごやさんのポップな包み紙と、甘泉堂の黄みがかったきれいな水色の紙袋が欲しい。2017/05/29
3月うさぎᕱ⑅ᕱ゛
27
とても素敵な本♡買ってよかった( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )カバーと帯紙は質感の良い包み紙。デザインも字も京都らしさやこだわりを感じるよう。京都の包み紙やかけ紙、紙袋などの「包まわり」の写真がたくさん載せてあり、一緒に写っているお菓子も上品で可愛らしいものが多い。栞、箱、所判もお洒落で細部まで手が尽くしてあり、歴史も長く品の良いものばかり。包み紙から代々伝わるお菓子や伝統への敬意、お客へのおもてなしの心が細部にまで行き渡っているのを感じた。私も買い求めて集めたりお持たせにしたいな♡2017/05/23
yyrn
24
作者のお二人の、様々なデザインの菓子の包み紙や紙箱を取っておきたくなる気持ちはよく分かる。私も包みをほどいて、ハイ、さようなら、なんてとてもできない。そこに京の伝統が加わわるのだから、なおさらだ。これらを優れた商業デザインと呼ぶのは野暮だろう。でも、なんて呼べばいいのかな?和のテイストを感じさせるデザインを作者は次のように分解する。点々、まる、縞、格子・市松、柄、配色、松、梅、月、文字、線、包みの姿、かけ紙、箱、所判、ひも、栞、袋、シール、袋の底?、電話(番号)。それらの代表選手として京都の大極殿本舗、⇒2023/01/11
hasemi
20
京都に限らず、他の旅行先でも紙物は気になる私。最近はつい手提げとか「いりません」と言ってしまうこともありますが、ある意味、中身よりも包んでくれた紙、入れてくれた手提げ等の方に魅力を感じてしまう人はきっと多いはず。どんな旅先でも気になるけれど、京都は特別それが色濃いと思います。著者の1人、井上さんは紙遊びの達人だなぁと思っているので、この本も楽しく読みました。いくつかのお店の話、店内や暖簾の写真も興味深い。デザインに、文字に、色に、井上さんの目線で追う包み紙はまたいつもとは違った楽しみ方が出来る。2012/09/10
る*る*る
17
無理強いしない、さりげない品の良さが伝わる。京都、、、修学旅行含め二度しか行ったことがない。大人旅行にいいですね。憧れます。歴史名高い建物は見たいけど、、この本読んだ後では和菓子屋の店頭を覗きたい。箱、シール、袋、包装紙、所判(ところばん)、ひも、栞、、、店々での思いが詰まっている!今回のチェックは、甘泉堂の栗蒸し羊羹♡2014/12/02