内容説明
本書は明治期の『少年世界』と大正期の『赤い鳥』を起点に、戦後を中心に昭和二十年代から昭和三十年代まえの、作文・綴方教育の歴史について論及した。特に、重点を置いたのは、戦後の児童雑誌と少年少女雑誌の綴方・作文教育についてである。そこでは制度としての教育の場を離れて、子どもたちは実に生き生きと文章を書き、実に多くの教師たちが指導にあたっていた。それらの内実を、私なりに分析したのが本書なのである。その意味で本書は、これまでまったく論じられなかった作文・綴方教育史である。
目次
『少年世界』の綴方―投稿にみる明治期の少年雑誌
『赤い鳥』の綴方教育―その“文芸的写生文”による綴方のこと
昭和初期の非常時と雑誌『綴方学習児童』―『綴方生活』等の創刊と共に戦時下を歩む
戦時下の綴方と坪田譲治―『銃後綴方集 父は戦に』のこと
戦時下の綴方と坪田譲治・続―『綴方子供風土記』と『綴方 家のほまれ』、そして戦後へ
『季刊作文教育』の位相―昭和二十年代の作文教育について
児童雑誌『赤とんぼ』と山本映佑―『綴方集 風の子』とその周辺について
民主主義と子どもの文章―『原爆の子』と『基地の子』のこと
新聞社の綴方教育―戦後の読売新聞社綴方コンクールのこと
雑誌『少年少女』の作文教育―柳内達雄と今井誉次郎のこと
『少年少女』と『野上の鉄ちゃん』―森田郷子と江口江一とのことなど
生活文と小学館のつづり方コンクール―昭和三十年代の作文教育について
作文の会と児童文学―先生が書いた童話集をめぐって
大衆児童文学雑誌の投稿欄―戦後の『少年クラブ』『少女クラブ』の短文と韻文などのこと
著者等紹介
根本正義[ネモトマサヨシ]
1942年東京生まれ。現在、東京学芸大学教授。日本文芸家協会会員
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