内容説明
本書は、ホーソーンが、駐リヴァプール、アメリカ領事に任命されて、イギリスにいた時のエッセイである。彼は、1854年7月16日にリヴァプールに到着して、1857年8月末日まで領事の職にあった。しかし、後任者の着任が遅れたために、家族と共にイギリスを離れて、ヨーロッパ大陸に出発したのは、1858年1月5日のことであった。『われらが故国』は、彼のイギリス滞在記であるが、単なる旅行記ではない。そこからは、物語では、象徴化されたり、ぼやされたりしている、彼の意図が、彼の本心が直接に読みとれる。作品は、作家ホーソーンを理解するためにも、彼の物語を理解する上でも、重要なものである。
目次
領事館経験
レミントン・スパ
ウォリックについて
才能ある婦人の思い出
リッチフィールドとユートセクター
古きボストンへの巡礼
オックスフォード周辺
バーンズを追って
ロンドン郊外
テームズ川を上流へ
イギリスの貧困管見
イギリス市民の宴会