感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベル@bell-zou
25
"びんの中では、サフランの酒が醸されて、プツ、プツとささやかに、泡を吹く音がきこえていました。"。この一節がとても好き。帰りたくても帰れない悲しみが呪いとなって男たちを捉える。はじまりは彼女の血だが同じ境遇の美しい女たちの怨念がサフラン酒に熟成されていくのだ。版画の作風がオリエンタルな物語によく似合い魅力的。【あやしい絵本/妖】2022/01/04
小夜風
25
【図書館】異国風情漂う版画が素敵。この本に直接版画を刷られているのかと思うような印刷で、思わず絵を触りながら読んじゃいました。さらわれて異郷の地で朽ち果てた女の怨念がどんな魔力になるのかとドキドキしました。赤い町に囚われたら最後、誰もそこから出られないのです。小川未明さんの絵本もっと読みたい!2015/07/25
pino
17
遠い異国の物語。砂漠の赤い町。身を立てるために宝石を求め、砂漠を旅する若い男たちの憩いの町。夢見ごこちに、女たちに勧められるまま、赤いお酒を、一口飲むと・・・。赤いサフラン酒は、かつて、この町にさらわれ、故郷を捨てなければならなかった女の造った酒だった。女の血と恨みが醸し出した美酒。なんとも、美しく、残酷な物語でした。子供が読むと、不思議で、おいてけぼりにされるような怖さを感じるかも。この物語の世界に酔いしれるのは、お酒の魔力を知っている大人だろう。版画の挿絵が異国情緒を盛り上げる。女の毒花には用注意。2012/05/08
メタボン
16
☆☆☆ タイトルから美しい話かと想像していたが、意外にも怖いというか、魔性の話だった。現代で例えればアルコール依存症やギャンブル依存症にも通じるような、人を破滅へと導くような「サフラン酒」の恐ろしい魅力。2015/09/13
花林糖
15
(図書館本)ドロドロとした怨念漂う物語の世界を、山福朱実さんが迫力ある素晴らしい版画で描かれていて見惚れてしまいます。(購入)2015/07/22
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- 和書
- ねずみのおなか