内容説明
僕は、いつも同じ夢を見るやわらかい光が差し込んでいて。ふわふわで温かくて。何かにくるまっている夢。そして、だれかが優しく僕を呼ぶんだ。「トッティ」って。これが僕の名前なんだって。僕を呼んでくれたのは、小さな女の子だったような気がする。「ぽんこつ山」で暮らして一年になる。このままだと、いつかは僕も死んじゃうだろう。犬が犬死になんて、しゃれにもならないよね。いつか、きっと僕はここから逃げてみせる。探すんだ、夢の中の女の子を。難しいかも知れないけれど、一生かけて、探す。聞いてみたいんだ。「どうして僕を捨てたの」って。
著者等紹介
新澪ハルカ[シンミョウハルカ]
東京都渋谷区生まれ。早稲田大学教育学部卒業。中学時代から推理小説や詩を書きはじめる。会社勤めの傍ら、捨てられた動物たちを主人公とした小説をブログで発表。現在は、「ニート」をテーマにした詩と、携帯電話のカメラで撮った風景写真と詩のコラボレーションにも力を入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ruruti
2
捨て犬のコロニーが自然災害でなくなってしまい、1匹生き残ったトッティが、生き延びようと頑張っている。すごく心が痛む題材を扱っている割には、さらさらと読めてしまう。ビーグル犬が主人公ということで、気合を入れて読み始めたが、擬人化されすぎ、別にビーグルではなくてもよかったのではと思う。いろいろ出てくる犬も犬種の特性などが、もっと取入れられていたらもっと楽しめた。でも、下巻も読もう!2012/08/19
るか
0
★★★★☆
暇潰し
0
身勝手な人間のエゴによって捨てられ虐待される二百匹余りの犬達。僅かな希望もすぐに打ち砕かれ、上巻の時点では殆ど救いがない。 フィクションであるため、人間の動向に「いや、それはないだろ」と苛々することがある。敵役の人間の台詞は汚く、文章の殆どが台詞であるため感動というより胸糞悪くなる。筆者が元々ブロガーであることからブログ向けの読みやすさを重視してるのだろうかと思われるが、読者に何を伝えたいのか分からない。 ただただ「自分が考えた捨て犬の酷い有り様」を書きたいのかな、と邪推しつつ下巻へ。2018/08/07