内容説明
本書は多摩交流センターで開催された歴史講座「多摩の代官を語る」をもとにして、江戸初期から幕末まで、各時期に活躍した代官たちとその配下で地域に常駐した手付や手代などの動向を明らかにした講義録です。
目次
第1講 江戸時代の代官像―大久保長安と八王子・府中代官たち
第2講 多摩を治めた代官―高室代官と有力農民
第3講 多摩が生んだ名代官―田中休愚と川崎平右衛門
第4講 開国と代官―江川太郎左衛門と多摩の幕領支配
第5講 幕末維新の代官と豪農―多摩の近代への道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
転天堂
1
北条氏の支配を引き継いだ徳川氏が、北条氏や武田氏の旧家臣を地域支配(代官)に用いた後、首都防衛と地域支配体制の見直しにより世襲代官から官僚代官に切り替え、また大岡忠相のブレーンによる改革が多摩地域に与えた影響がよくわかった。いっぽう世襲代官としての地位を守り抜いた韮山代官江川太郎左衛門家から幕末近くに英龍という傑物が現れた多摩地域に与えた影響もよくわかった。多摩地域の代官支配に不可欠な中間管理者の存在が、明治以降の自由民権運動につながったという指摘は興味深い。2024/01/13
げんさん
1
たましん地域文化財団主催の講演録。多摩の開発、統治に当たった幕府代官の生態が良く描かれていた。
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