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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
186
キリストの復活は福音の始まりだ。それを知る「神のあかし人」は主のわざを待つために祈る。そのために共同体はある。祈ることは呼吸であり、神の力は風のように人の言葉に火をつけ福音にする。神は強者を挫くため弱者を選んだ。パンを裂くこと…祭儀と祈りの生活がキリスト顕現の場となる。そして病人、困窮者、慰めを必要とする人を訪れること…愛の実践が典礼を支える。それはイエスの「わたしを見なさい。わたしはここにいる」という言葉そのものだ。信者でない私も身が引き締まる思いがした。でも、いつも思うがなぜ信者である必要があるのか?2024/03/26
夜間飛行
182
後半はマタイ伝にある《~は幸いである》というイエスの言葉についての講話「真福八端」と、パンデミックが露わにした社会問題について語る「世をいやす」からなる。「真福八端」の一つ目《心の貧しい人は幸いである》は、法然や親鸞の悪人正機説と似ているように感じた。違うのはこの貧しさがイエスの「愛の権能」に由来すること。元々〝素寒貧〟の私たちは変わる必要などなく、むしろ存在そのものである貧しさに成りきってこそ、真の自由を得て「愛の権能」を発揮できるという。これは自覚の重要性においてやはり悪人正機説に重なるのではないか。2024/03/28
優希
40
教皇フランシスコの講話をまとめたものになります。特に前半は使徒言行録についての講話だったので興味深かったです。カトリックの講話をこのような形で触れる機会があるのが良いですね。2024/02/16
Francis
15
カトリック教会のフランシスコ教皇様がサン・ピエトロ広場などでの信徒との一般謁見の中で行った連続講話をまとめたもの。半分は新約聖書「使徒言行録」の解説。残りは「自らの貧しさを知るものは幸いである」から始まる「山上の垂訓・真福八端」の解説。最後はコロナ禍で多くの人々が困難に直面する中、キリスト者はどう世をいやしたらいいのかを語る。教皇様の謁見の講話は難しいのかな、と思っていたが、聖書の解説を連続で自ら行われるとは。ユダヤの地からはるばるローマまで宣教して殉教された聖ペトロの後継者に相応しいと言えましょう。2024/01/25
いとう・しんご
9
読友さんきっかけ。2019年5月から翌年9月まで、コロナ禍の時期を含む講話集。柔和で謙遜な語り口だけれど、そのメッセージはメッチャ、厳しい。信仰の骨身に達する警策、という感じ。彼が理想とする教会と社会を作るために聖職者や信徒達に一生懸命に呼びかけているせいかもしれない。それにしても彼が「旅」「旅路」という言葉を語るとき、なんとも言えない希望と励ましが感じられるのは不思議。信仰の、聖霊の力なのかなぁ。このシリーズをもっと読みたくなって、E-honをポチっちゃったのでした。2024/03/06