内容説明
人々を一致させ平和と幸福をもたらしうる客観的な道徳的価値は存在するのか。そのような価値観はいかなるものなのか。国境を超えた地球規模の問題が山積する現代世界における、自然法の普遍的倫理としての妥当性に関する考察。
目次
第1章 歩み寄り(世界のさまざまな知恵の伝統と諸宗教;自然法に関するギリシア・ローマの源泉資料;キリスト教的伝統の発展;その後の発展;教会協同職と自然法)
第2章 道徳的価値の認識(社会と文化の役割;道徳的経験―「人は善を行わなければならない」;自然法のおきての発見―自然法の普遍性;自然法のさまざまなおきて;共通のおきての適用―自然法の歴史性;人格の道徳的体制と具体的行為)
第3章 自然法の理論的基礎(経験から理論へ;本性、人格、自由;本性、人間、神―調和から葛藤へ)
第4章 自然法と国家(人格と共通善;政治的秩序の基準としての自然法;自然法から自然権へ;自然法と実定法;政治的秩序は終末論的秩序ではない;政治的秩序は地上的・理性的秩序である)
第5章 自然法の完成としてのイエス・キリスト(生ける法である受肉したみことば(ロゴス)
聖霊と自由をもたらす新しい法)