内容説明
戦時下となる昭和一〇年代。文学者はどのように人間、そして世界を描いたのか。変動する時代状況と石川淳・太宰治・坂口安吾たちの文学作品との結節点をさぐる。
目次
昭和一〇年代の幕開け
第1部 昭和一〇年、石川淳の登場と初期作品(多重化する“わたし”の試み―石川淳「佳人」;下層民を描く位置―石川淳「貧窮問答」;漂泊の強度―石川淳「葦手」;芥川龍之介の影を追う―石川淳「普賢」と安吾・太宰)
第2部 戦時下の石川淳・太宰治・坂口安吾(再生の季節と作家―太宰治「富嶽百景」;グロテスクな愛の射程―坂口安吾「紫大納言」;“歴史と文学”のなかで―石川淳『森鴎外』;オルタナティブな歴史の語り方―太宰治『右大臣実朝』)
焼跡からの出発―石川淳「焼跡のイエス」
著者等紹介
若松伸哉[ワカマツシンヤ]
1976年静岡県浜松市生まれ。青山学院大学文学部日本文学科卒業。同大学大学院文学研究科日本文学・日本語専攻博士後期課程修了。博士(文学)。愛媛大学教育学部国語教育講座准教授を経て、愛知県立大学日本文化学部国語国文学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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