内容説明
従来、「身」と「心」は別次元のものと理解されてきた。しかし、果たしてそうであろうか。誰よりも愛しているからこそ激しく追い詰め合わずにはいられない宇治の姉妹の物語や、その若き生命力が自殺願望を押し破る、「起きる」女君としての浮舟―。源氏物語における女君たちの語られざる「思い」を、「病」や「出産」の相から浮き彫りにする。
目次
1 正篇における思惟と身体(藤壷の反照―垣間見の発動力;紫の上の通過儀礼―若紫巻における反世界;朝顔巻における「ゆかり」の変容―異化をめぐる方法;源氏物語における「なやみ」と身体―藤壷をめぐる病理学)
2 宇治十帖における思惟と身体(「なやみ」とぶらふ薫;大君物語における思惟と身体;「思ふ」女の未来学―中の君物語における思惟;東屋巻の思惟―「知る」ことをめぐる逆説;誕生への問い―中の君物語における「なやみ」と思惟;浮舟物語の回想と思惟―記憶の遡及;「起きる」女の物語―浮舟物語における「本復」の意味)
著者等紹介
石阪晶子[イシザカアキコ]
1975年東京に生まれる。1997年フェリス女学院大学文学部日本文学科卒業。2003年フェリス女学院大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。現在フェリス女学院大学非常勤講師。平安文学専攻
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