感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
toshiyk
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19世紀末〜20世紀初頭のロシア文学短編翻訳集2冊を収録しています。一推しはアンドレーエフ『地下室』。酒で失敗して地下室に引きこもった男の話です。目覚めてから起きるまでに12ページを費やす圧巻。酒で壊れた脳みそ。布団から頭だけ出す。血走った目。泣き笑い。街からの喧騒の音が辛い。明るさを増す部屋も辛い。「生きなければならぬ」寝返り。しかし起きない。ここには屑なら身に覚えがあるだろう重いロマン的倦怠があります。大正の文学青年にも昇ファンが多かったそうです。普遍的ロマン屑。買うと高いですが大きい図書館なら。2017/02/14