内容説明
全長6.5キロの「密室」から死体が消失?贈賄疑惑の渦中にある会社社長が何者かに殺された。だが地下水道に流されたはずの遺体は海岸で発見され、なぜか肋骨が一本欠けていた。事件前に現れた牛背と名乗り男の正体は?旧約聖書と符合する数々の不可思議な出来事は何を意味するのか?神宿る土地を舞台に善悪の彼岸を描く本格推理の金字塔。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
80
大手新聞社記者の垂水は、千葉の水路建設に絡む汚職を感じとり、単独で関係者の調査を行っていた。環境省は大学へ地質調査を依頼し、垂水は調査に訪れた瀬下に面会する事が出来た。しかし瀬下は、翌日下水処理場のタンクの中で、死体となって発見される。それは、連続殺人の幕開けであった。全長6.5キロの密室という謎は、魅力的な問いであったが解答は微妙に感じる。むしろ前半の社会派ミステリがいつの間にか幻想ミステリへと変わる様は、一種圧巻ですらあった。反対に幻想的な謎が、現実的に解明されるギャップが、物語の醍醐味かも知れない。2022/08/26
ホレイシア
3
久しぶりの山田正紀、改めて博学だなーと思う。聖書や古事記の引用はいいが、科学的な薀蓄はついていくのがやっとだが、でも面白い。特筆すべきは、千葉県について何も知らないことに気づいたことだ。鉄道一つとっても、東京や神奈川、埼玉あたりは何となくわかるが、千葉は見当もつかない。考えてみれば、千葉ってどこかへ行く時に通るということがないわけで、ある意味孤立した場所なのだな。だからこそ、こういうことってあるのかも、という気がしてくる。満足。2012/04/03
麻生
2
いや、面白いんだけど…とんでもなくどでかい穴が…2008/08/24
青沼ガラシャ
1
「牛背(モウセ)」さんなるネーミングにはドン引きしたが、ネガポジが一気に反転する展開が素晴らしかった。神学やら民俗学やら環境問題やら、あらゆるネタを放り込んでいるので読み応えあり。2022/05/15
山像
1
面白かった。精緻にリアリティーを積み重ねて描写された房総半島が、古事記と聖書を援用した狂人めいた理論によって崩壊していく。一応、トリックも結末もギリギリ筋は通っていると思ったんだけど、前半部分の凄まじいまでに社会派要素を追求する展開とのギャップは、もうほとんどSF的なヴィジョンを見せてくれていると言っていい。2012/09/30
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- 前衛 (2022年5月号)




