内容説明
最愛の男・見山と結ばれたいのなら、この試練に耐えること…。人里離れた宿で、画家、書道家、刺青師など六人の男と肌を合せる女子大生・緋絽子。戸惑いつつも、被虐の美味を知った彼女の肉体は大きく変貌する。伝統美の中で織りなされる男女の究極の性宴。名作とうたわれつつも長らく入手困難だった処女作「卒業」改題して遂に復刻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
87
エロい。エロ過ぎる。好きな男と結ばれる為には、6人の男に愛されなければならない。そして愛し合った男とそのパートナーの女達が、フリーラブ、フリーセックスに突入する。男達の多くが伝統工芸と繋がっていて、殆どが和服のシーン。主人公はどんどん幼く我儘になり、何故か谷崎の痴人の愛を思い出す。サドがマゾを支配するのではなく、マゾを喜ばせるためにサディストは知恵を絞る。本来は作者が自分の為に書いた作品だそうで、炸裂する想像力たるや。こういう世界を知らずに私はこの年まで生きてよかったのか。いや、後悔はしていない。2021/12/12
ぐうぐう
25
女流官能小説家・藍川京、その華麗なるデビュー作。女子大生・緋絽子が、魅惑的な男性・見山と出会い、彼に導かれ、桔梗の宿なる場所で、入れ替わり立ち替わり現れる男達の性の玩具にされ、やがて性愛の悦びに目覚めるというストーリー。読み進めていく毎に実感するのは、『華宴』が官能小説である前に、文学であろうとしていることだ。矢切隆之が解説で指摘しているように、この小説には日本的文化が意図して配置されている。桔梗の宿で緋絽子を弄ぶ男達の職業は、日本画家、書道家、陶芸家、刺青師、華道家、組紐師であり、(つづく)2017/10/23
修吉
14
【読メ エロ部】読みやすくて面白い!単純なプロットに多様な抽斗が用意され、次は何が出てくるのか?と楽しまながらページを進める。そこには期待を裏切らない様々なエロス絵巻が繰り広げられる。女流だが目線は男性?と思わせる。筆致は大胆かつ繊細で行間から汁が滲み出てくる。ブックオフへドナドナさせず手元に置いて再読したい、そのくらい面白い。★★★★☆2021/06/06
たかこ
9
読んでしまった!文学でした!日本の伝統文化を大事にしつつ、あら、まぁというかんじ。この世界感すきかも。2021/07/12
カーミン
7
愛する人に抱かれるためには、6人の男に抱かれなければならない。それはなぜか……?ミステリー調だったので、ぐんぐんと引き込まれて読みましたが、結局最後まで読んでもなぜ6人の男性が現れるのか、謎のままでした。2015/10/28