内容説明
乳色の艶々しい光沢を帯びた元子爵夫人・美紀の裸身と、華奢で象牙色に輝くその令嬢・由美子の裸身が寄り添うように共に嗚咽にむせび泣く―。ヤクザ組織・北風会の陰謀により、新宿の淫売窟・紅バラ御殿で、最下層の女として磨きをかけられてゆく母と娘。地獄のような調教がしだいに二人を被虐の快楽に目覚めさせていく―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
3
『花と蛇』とちがって玩弄の対象は拡大せず母娘二人をネチネチといたぶる団鬼六の今一つの代表作。戦前には上層階級であった美女母娘が理不尽に陵辱され、性モラル意識崩壊し被虐依存となる(監禁者の暴力に屈伏し、迎合していく)。被占領時代という背景、亡夫は高級軍人。三国人相手に弱い警察力。非武装無抵抗主義の憲法が戦勝国に押し付けられたと判明した後も、卑怯で血を見ることが恐い日本人は屈従がすきになってしまった(この作品の責めでも血はあまり出ない)。明治以降の大日本帝国は「女装した男性」にすぎなかったのか?陵辱される日本2012/09/11
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