幻冬舎アウトロー文庫<br> 破滅 - 梅川昭美の三十年

幻冬舎アウトロー文庫
破滅 - 梅川昭美の三十年

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  • サイズ 文庫判/ページ数 245p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784877284848
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0195

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

458
リアルタイムで体験したこちら、周囲はその話題で持ちきりだった。その衝撃的な内容は、ン十年経つ今でも忘れられるものではない。今作はさすが新聞記者チームがまとめたものだけに、徹底的に取材されテンポよくまとめられている(今なら個人情報ナントカ法で難しいのでは)。読みながら二転三転したのは、母親に対する感情。教育もなく厳しい環境で甘やかして精一杯息子を育てた彼女を誰が責められよう。美容院云々もきっと、彼女はそうすることが礼儀だと勘違いしていたのだと思う。とにかくやるせない…と彼女の目線で読むとまた別の作品になる。2023/09/20

HANA

68
1979年1月26日三菱銀行北畠支店に強盗が立て籠もった。本書は犯人の人生と事件の経過を追ったルポである。人生については事件以前に強盗殺人を犯していたり、出てくる土地が隣の県で土地勘があったりという部分は興味深いが、犯人が凶行に走った理由を推測するのは無理なような。追い詰められたチンピラの逆上としか思えない。後半、事件が起こってからは手に汗を握る出来で、まさに一気読み。ソドムの市や女性行員への扱いとかは朧気ながら知っていたが、詳しい経過を知るのはこれが初めて。読み終えた時、犯人の人生の虚無感に唖然とした。2019/07/23

hatayan

40
1979年に起きた三菱銀行強盗殺人事件。警察官と銀行員4人が犠牲になり、42時間の籠城の末犯人が特殊部隊により射殺される重大事件でした。現場の支店では遺体が散乱。女性行員は全裸にされ、同僚の耳をナイフでそぎ落とさせる、まさに地獄。犯人の梅川昭美は15歳で人を殺め、1年あまりで出所ののち入れ墨や哲学書で自分を大きく見せ、銃の力に頼る日を自宅で秘かに夢想していました。 母子家庭で育ち、目立たなかった梅川がどのように狂気を宿していったのか、本人への取材がかなわない中でできる限り丁寧に考察しようとしています。2019/06/26

James Hayashi

36
1979.1.26三菱銀行北畠支店での強盗殺人事件の概要が語られ、犯人梅川の半生も読み取れる。先日読んだ石原慎太郎の「凶獣」の宅間守と同等の獣である。しかし何がこれらの連中を狂犬にさせたのかは分からず。梅川は15歳で殺人を行い少年院へ行っていた。時代的な事もあるだろうが、社会へすぐ復帰し犯行に及んでいる。甘かった精神鑑定。社会はこういった獣も受け入れていかなければいけないのだろうか?「ソドムの市」という映画に多少感化されているが本質ではない。借りていた金を返したりカズノコを配ったりずれた人間性もある。2019/03/27

Tomoichi

23
昭和54年1月26日から28日に発生した三菱銀行北畠支店強盗人質事件を描くノンフィクション。数日で6歳になる頃の事件であるが連日テレビ中継をコタツに入って見ていたのを覚えている。レポーターが事件の種本として文庫本を持っていた事、人質が毛布に包まれて階段を降りていた事。そして警官だった父がテレビに映る同僚の名前を言っていた事。梅川が射殺されたので真相は闇だが、「俺は精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」という梅川の言葉が全てを表している事件と言える。2016/05/27

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