出版社内容情報
プロよりも強いスゴイ奴がいた!“新宿の殺し屋”と呼ばれた将棋ギャンブラーが、闇の世界で繰り広げた戦いと破滅。日本一の真剣師を決める通天閣の死闘など、壮絶な軌跡を描く傑作評伝。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
289
『盤上の向日葵』から「真剣師」を知り、読友さんの薦めもあってこの本につながった。面白すぎる、凄すぎる、こんな男が実際にいたとは! 驚嘆の連続だった。 真剣師とは、「賭け将棋で渡世する、いうなれば将棋のギャンブラー」。小池重明は「新宿の殺し屋」と呼ばれるほど、将棋が強い。生涯アマながらプロをも凌駕。だが将棋以外はまるでダメ。人妻との駆け落ち3回(勿論それぞれ相手が違う)、働いている店から金を持ち逃げすること数知れず。44歳で亡くなる、その最晩年に、世話をし尽くした団鬼六でなければ決して書けなかった怪作だった2020/09/12
nonpono
92
旅のために電子書籍を買っていたはずが病院のベッドで読むなんて。22日から胃の不調で入院しています。さて、本書、再読。若いときにジャケ買いしたんです。そして団鬼六を知る。真剣師と名高く、プロも脅かす小池。いいところまで行くんだけど、酒やギャンブルに堕ちる小池。そして人妻と逃げる小池。怒りながらあきれながらも包み込み、常に暖かく見守る団鬼六。今の年で読むと味わいが違う。プロにもなれずアマにもなれず、その歯痒さが痛いくらいに伝わる。ほどほどに生きるって難しいね。そして何度見ても表紙の小池の眼光に惹かれるわたし。2025/10/26
goro@the_booby
72
何と言っていいのか分かりませんが酒と女と博打と将棋で散った真剣師小池重明、凄いわ~。人妻との駆落ち3度、金の持ち逃げ、サラ金地獄、詐欺事件に飯場生活のとんでもない人間の見本なのですが、将棋だけは強い!何度も裏切られたのに懲りずに肩入れする人達。嫌われ愛される特異な人。立ち直ろうとしても長続きせず、落ちて行っても将棋で這い上がる男。プロになれる機会も自分でフイにしてしまったり馬鹿もんなんですがね~プロも認めた将棋の特殊感覚を見てみたい。棋士は死んでも棋譜は残る。鬼六先生もそんな彼を見放せなかったんですね。2018/09/10
はじめさん
57
https://bookmeter.com/events/9413 六月は団鬼六! 2022年 6/25(土)20:30-「真剣師・小池重明」を課題にリモート読書会を開催します!2021/05/05
kazi
57
真剣士って言葉を知っていますか?賭け将棋を生業に生きる将棋ギャンブラーの事です。この小説で描かれているのは、千駄ヶ谷を中心に展開する“表”の将棋とはまた別の裏世界。薄暗い将棋センターで日銭をかけて深夜にひっそりとおこなわれる真剣将棋の世界です。大田学、加賀敬治、平畑善介、三崎巌、そして小池重明。現代に名前を残したこれらの真剣士たちは、昭和という時代にのみ狂い咲いた徒花であり、平成へ向かう時代に将棋界や日本社会そのものが洗練されていく中で、等しく消え去っていった存在でした。2020/11/06




