内容説明
遺作。『今夜も木枯し』の続編、最後の書き下ろし。ハードボイルドとは生きざまであるとすれば、ピュアなハードボイルド作家の肖像がここにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
96
『木枯らし~』の百科辞典セールスマン「仙波」さんが出てくる続編ながら、作者さんが作成途中にて無念ながら急逝してしまったため、未完のままとなってしまいました。短編2編も併録されていますが、とにかく表題作のスピード感は素晴らしいの一言につきます。理由がわからずなぜか狙われる青年「ケン」と彼を見守る個性派ロートルアウトローの二人「根津」と「馬渕」そんな彼らが謎の組織と対抗しつつ、「ケン」を守ろうとする姿にとにかくシビれます。本作が最後まで書かれず未完に終わったのが本当に残念です。もっともっと読みたかったですね。2022/06/26
はつばあば
63
「今ある人生が、明日という日が、いつまでも続くものじゃないと心せよ」そう教えられたかのような・・遺稿作品。なぜ仙波が百科事典を売り歩くようになったかということから始まり・・。?死ぬ前って帳尻合わせをしてから死ぬのかしら。なんて思わせる作品と未完で〆られたこの本。私のダダ長いつまらぬ人生と交換できるものならと一瞬思わぬでもない。明日?明日。人の行く末など思い煩うなかれ。トラさんのように飄々とその日暮らし、「深志荘」の住人のように生きるも又よし。ただ・・今の政治家だけは如何ともしがたい2017/08/11
たーくん
5
幻冬舎。著者の未完の遺作。アウトロー小説。おなじみ深志荘の住民で百科事典の販売員・仙波が語る。2015/11/08
satooko
3
遺作、でこれで風間作品完読。「海鳴りに訊け」の帆船に続き、グライダーが出てきてちょっと苦手。でも室井が登場・活躍しかけのところで未完。ほんとうに急逝だったことに詰まる。巻末の内海隆一郎の追悼エッセイがよい。2009/01/23
戸田健太朗
2
これ完成してたら「海鳴りに訊け」みたいな長編になってたのかな? 前ふたつの短編がすごく良い!!2009/04/15