内容説明
三国志演義のルーツ『三国志平話』世界はじめての翻訳本が登場!微に入り細をうがった注釈は資料的価値じゅうぶん、初心者から上級者まで三国志ファン必携の本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つみれ
33
『三国志演義』のルーツ。これを読むと『演義』がいかに洗練された内容かということが改めてわかるというもの。漢建国の功臣でありながら劉邦に粛清された韓信・彭越・英布が、冥界の裁判所でそれぞれ曹操・劉備・孫権に転生させられるという冒頭部が実に衝撃的。この例からもわかる通り、全編に亘って荒唐無稽。しかし、元の時代、三国志のどうような部分に娯楽性が求められ、どのような展開が期待されていたかが窺い知れるという意味では貴重といえる。本書から三国志の世界に入ると誤った知識ばかり植え付けられることになり、おすすめできない。2019/01/08
アカツキ
11
「至治新刊全相平話三国志 上中下巻」の翻訳。演義とはまた違った味わいの三国志になっている。貂蝉が元々呂布と夫婦という設定が良かった(王允が悪者になっちゃうけど)。夫の尻を叩かないといけない場面で歓楽に耽らせてしまうのも傾城の美女という感じ。武力No.1は呂布のイメージがあるが、平話の張飛は呂布とタイマンを張る。だが、黄忠は張飛・関羽・魏延3人同時に相手にしてもピンピンしている。強いジジイ、いいよね!2024/12/15
えふのらん
2
三国志演義の種本其の二。陳寿の三国志や裴松之の注釈が戦勝国である魏晋の歴史と敗戦国蜀の思想的な鍔迫り合いなら、こちらは庶民が編み上げた娯楽大作。講談の小噺を集成した本だけあって矛盾が多く、演義に比べると叙事詩としての面白さに欠ける…のだが、とにかく娯楽としてよくできている。張飛は督郵を滅多打ちにした上に”身体を六段に分割”し”首と手足をそれぞれ吊る”し、長坂の戦いでは一喝で橋を落とす始末。2024/10/22
押さない
0
小説としてではなく、当時の劇でこんなものが演じられていたのだと感じる事ができる参考資料として。荒唐無稽さが面白い。2014/01/06
水瀬しあ
0
孔明、色んな意味で人間じゃないです・・・(苦笑)。話はえらくシンプルになっておりますが、前後の繋がりに多少の問題があったりもするので、逆に「演義」を読んでいる人でないとわかりにくいかもしれません。「演義」との違いは興味深いです。ある人物のエピソードが別の人物に置き換えられていたり。