内容説明
蜀の存続のために、孔明は桃園結義以来の股肱の臣、関羽を見殺しにし、張飛の謀殺をはかった。彼の手となり、足となる七人の刺客、神聖軍師、伏竜望、刺美人らは、それぞれ孫武、太公望、莉軻などの血を引く、数奇な運命を持って生まれた者たちだった。私を呑んで公を貫き、合理、非情に徹する新・孔明像を描く。劉備郡の幹部三人が無衣無冠の青年を口説きに行ったのは、単にヒマだったから。人材あまたある魏、呉では有名になれそうになかった孔明が、劉務を選択したのは当然など、独特の風刺と辛口の筆致で、三国志の矛盾を暴く。孔明=仁、義、徳をくつがえす衝撃の本。