目次
カウンター(始まりはKポペン;野間易通氏と「レイシストをしばき隊」 ほか)
差別はネットの娯楽なのか(私がチャンネル桜に出演した理由;「差別を比較して意味があるのですか?」 ほか)
ひまわりと菜の花―福島朝鮮学校の除染作業へ
京都朝鮮学校襲撃事件裁判傍聴記(事件の概要;事件との出会いと「在特特会」 ほか)
在日の街と人と(オモニの人生;記憶の断章 ほか)
著者等紹介
李信恵[リシネ]
1971年生まれ。大阪府東大阪市出身の在日コリアン2.5世。フリーライター。大学在学中から記者としての活動を始め、女性誌や地域情報誌で記事を執筆。現在はインターネットのニュースサイト(アジアプレス、ガジェット通信)をはじめ、新聞(日刊ゲンダイ)や月刊誌(部落解放、ヒューマンライツ、イオ)、ラジオ(ラジオフォーラム)など各種媒体でライター、取材記者として活動。日本国内の差別問題、従軍慰安婦問題、教育問題等に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
makimakimasa
10
題名はツイッターのハッシュタグ(安寧=アンニョン)。見た目は普通なのにヘイトスピーチする人達の事を知りたくて、名指しで「殺せ」「くたばれ」だの言われ続ける中、怖くて泣きながらもユーモアを忘れず差別の現場に挑む著者は、強くて変態(自称)だ。でもしっかり傷付き、安田浩一や岸政彦に度々心配される。ネトウヨに「焼肉食いに行こう」と誘っては拒否られ、街宣中の桜井誠に取材を試み、チャンネル桜では古谷経衡の討論番組に出演。外国人の生活保護受給批判をツイートするフィフィには、母国と国籍が異なる当事者として疑問を呈する。2025/01/14
ジョナ
10
語りたいことも、感想も概ね本の中にありました。私はこれからも日本で「在日コリアン」として、民族名で生きていくでしょう。「朝鮮半島へ帰れ」「チョンは駆除」「朝鮮人は出ていったらいい、ゴキブリだ」「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」⁈目眩がして、吐きそうになるヘイトスピーチを笑い飛ばしながら、でも、傷つくことに慣れてはいけないんだ。間違ったことは、間違っていると声を上げられる社会を築くためには、誰も傍観者ではいられないから。李信恵さんの裁判を応援します。いや、一緒に頑張りましょう!2015/06/05
Amano Ryota
6
感想を書くことが難しい。迂闊に口を挟む事が出来ない壮絶な記録だと思う。単純に、ヘイトスピーチの矢面に立ち、それを実行する団体と戦ってきた著者の記録と言ってしまえれば、あれこれ考える必要もないのだけれど、それだけでは大切なものが漏れてしまう気がする。言葉にならない苦しみや憤り、そして、それでもそれを言葉にして主張しなければならない人達(著者だけではないと思う)の切実な思いが行間に漂っている、としか言いようがない。そういうことを考えていると、僕個人がそう思うことに意味はないのだろうけど、ただただ悲しくなるよ。2015/01/31
もっち
4
タイトルは「つるはしアンニョン」、と読みます。とても扱うのが難しいテーマです。ヘイトスピーチに堕しやすい在日韓国人についての問題が平易に書かれている。複合差別を受けやすい、女性×在日という著者によるそれは、啓発にとんでいて素直に素晴らしいと思いました、2016/01/09
むっち
4
著者は、もともと雑誌記者で「ごく普通の在日」の生活を送っていたのに、在特会などに代表されるヘイトスピーチを追いかける中で、攻撃されネットのさらされるようになった。この本は、取材者としての関わりから自身がヘイトのカウンターとして関わり、さらに自らが当事者として裁判を決意するまでの心の軌跡を語っている。在日特権はあるのかとか、ヘイトとは何かということなら、他の本を薦めるが何よりもヘイトスピーチによってどんな風に心が傷つけられるのか、その時にどんな行動をとるのかなど複雑な心の動きも具体的に語られて、がんばって2015/07/25