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内容説明
25歳で渡仏、ヴラマンクに師事、独特の画風で場末のカフェ・壁・広告塔などを描き、30歳でパリに客死した佐伯祐三(1898~1928年)。日本近代の画壇を一瞬疾走した天才的画家の芸術的達成と、妻・米子がかかわる加筆、変死の実像を追尋した、没後80年記念出版。
目次
下落合のアトリエ
悲しみのパリ
銀座の子
n画廊の『黄色い薔薇』
『立てる自画像』
エトランジェ
僕の絵は純粋ですか
米子はんは家事に専念した
最後の写生旅行
卒然と逝く
米子の加筆
夭折と変死
祐三の死因
和紙に墨書された書簡
著者等紹介
稲葉有[イナバユウ]
本名・稲葉通雄。1933年、東京・本郷生まれ。日本文藝家協会会員、『新現実』同人。トーハン、トーハン総研退職後、執筆に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
駄目男
3
本書は単なる伝記本だと思っていたが、どうも杏子なる女性が佐伯夫婦の足跡を追うルポを小説化したような本で、その結末がこれまで聞いたことのなかった結果になる! つまり、小説なので調べた結果も全て杏子の調査に拠るものだということになるが、果たしてここに書かれていることはどこまで本当なのだろうか。あり得ないような結末を読者はどこまで信用するか。荒唐無稽とまでは言わないが、こんなことがあったら美術史では特ダネものだと思うのだが世論は騒がず。やはりまやかしなのか。しかし、展開はスリリングで面白かった。2018/07/23
だだ子
1
読後、なんともいえないモヤモヤした奇妙なな気分になった。 小説の体をとっている?ので余計に事実なの?創作なの?と混乱しながら読み進めたかんじ。読んだあとこんな気分になったのは初めてかも。2023/06/07
ヘル・Wの空中庭園
0
言うちゃいかんとは思うとばってん、もっのすっごくヘタだ、この小説。どうしてここに、現代の夫婦を登場させる意味があるのか。祐三と米子についての知識が得たいから読んだのに、読み進めるのが苦痛でイライラした。だいたい、多めに見積もっても30代と思われる主人公の独り言が「これなんだョー」って有り得ない。漫画によくある説明キャラ並みに個性のない主人公の感想に阻まれて、米子の実像が見えてこない。でも、超貴重書だという噂の『祐三のパリ日記』の引用があちこちに見られたのは良かった。2010/02/01




