内容説明
時代に抗い、けっして絶望せず、自分を曲げず、懸命に生きぬいてきた女性たちの生の軌跡と、作品と思考の創造性をみごとに照らしだす。いま再発見し、呼び起こすことが必要な“女たちの本”52冊をめぐるエッセイ集。
目次
比類なき二〇世紀の証言―マルガレーテ・ブーバー=ノイマン『第三の平和』第一部・第二部
朝鮮の舞姫・若き日の宣言―崔承喜『私の自叙伝』
地の塩のさわやかさ―高井としを『わたしの「女工哀史」』
偉大なる“生命の母”の物語―レイチェル・カースン『われらをめぐる海』
“大きさは測るべからず”―『秋元松代全作品集』全三巻
離脱と問うこと―広河ルティ『私のなかの「ユダヤ人」』
絵本共和国のグランド・マザー―ベッティーナ・ヒューリマン『七つの屋根の下で―ある絵本作りの人生』
文化の根としての女の力―福井貞子『木綿口伝』
無限の“やさしさ”からの告発―砂沢クラ『ク・スクップ・オルシペ―私の一代の話』
祈りとしての悲歌―『ネリー・ザックス詩集』〔ほか〕
著者等紹介
久保覚[クボサトル]
1937‐98年。編集者・文化活動家・朝鮮芸能文化史研究。『新日本文学』編集長(1984‐87年)。『花田清輝全集』(講談社)編集。自由創造工房、宮沢賢治講座、群読(ひびきよみ)の共同制作などを通して市民の文化・芸術活動の理論化をめざす。91年より、生活クラブ生協連合会発行「本の花束」編集協力者
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