内容説明
1923(大正12)年12月27日、虎ノ門で当時摂政宮だった昭和天皇を仕込杖銃で狙撃したが未遂―翌年11月15日死刑台の露と消えた難波大助。衆議院議員だった父との確執と人間的苦闘、その社会主義的思想遍歴を、裁判記録・書簡・遺書、及び当時の社会的反響など豊富な資料であとづけるとともに“国賊”の汚名に崩壊する家族の運命、山口県の故郷の村びとの衝撃・混迷を描ききった渾身の書下ろし評伝・秘史。
目次
事件が起きた
噂は走る
大助は語る「私の生い立ち」
宙に迷う大助の心
政治に興味をもつ
父は自分を騙していた
わが名は「墓山死赤」
転々、居所の定まらぬ青年
ようやく高校入学―二十三歳の春
断然、高校を退学する〔ほか〕
著者等紹介
中原静子[ナカハラシズコ]
1931年、山口県生まれ。東京女子大学卒業。国民文化会議事務局、萩女子短期大学などに勤務。筆名和田静子
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