内容説明
本書は、プラトンの主著『国家論』およびそれに関連する一連の作品を筆者独自の視角からかなり自由に論評することをとおして、プラトンによって意識的に展開された哲学という特殊な知的営為のもつ意味を具体的に考えようとするものである。
目次
序論 イデア・エロス・政治―プラトンを見る視角
第1章 イデアを観る人―プラトンの現実感覚
第2章 死の訓練―ソクラテスの虚像と実像
第3章 書かれざる掟の行方―ソクラテスをめぐる政治=思想状況の一断面
第4章 つねに同一性を示すもの―イデア実在論の極北
第5章 高貴なる嘘―プラトンの政治理論の問題点
第6章 根源的原理への道―弁証論の可能性
遺文 エロスの逆光―政而上学の位相を拓くための覚え書