厚生省の誕生 - 医療はファシズムをいかに推進したか

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784876997640
  • NDC分類 498.1
  • Cコード C0036

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フクロウ

5
「ファシズム体制は、存在に値する生命と値しない生命とに国民を峻別し、前者には充実した医療と福祉を与え、後者には排除、そして抹殺を強制した。」(9頁)。優生思想には、優秀な人間を増やすものと、劣等な生命を減らすものとに分けられる。体力向上、健康維持、そのための公園整備や無医村撲滅は望ましいことであるが、反面、国民優生法や優生保護法による障害者が生まれないようにする政策もコインの裏面として同時進行していた。2024/08/16

Mealla0v0

5
厚生省は、歴史的には内務省の衛生局と社会局が独立したものだが、その本丸は新設の体力局だとする。つまり、国民を「人的資源」とするための健康政策を推進した厚生省こそが、人間を「人的資源」としか見ない日本ファシズムの枢要機関なのだ、と位置づける。非常に興味深いのだが、ファシズムの定義が「人間を資源として動員する体制」程度のもので――たしかに健康/不健康という分割が人間の命を左右したことを批判する問題意識は理解できるにせよ――、それが果たしてファシズムの定義として有効なのか疑問は残るが。2021/04/19

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