内容説明
揺れる子どもの心をどう聴き取り、どう発達を援助するのか。苦悩する教師と親に寄り添った、新しい臨床教育学の創生へ。
目次
揺れる子どもの心を聴く
暴力とパニックの奥深く―恢復へのみちしるべ
「学級崩壊」で悩む教師たちへ―発達援助の相談活動から見えはじめた世界
「物語共同体」の学びを創る―「作家」としての子どもたち
希望は「つむぎあう糸」のごとく―ファンタジーと臨床教育学
「聴きとる」構えの発達援助へ―沈黙の響き、仄見える希望
物語作家の「アトリエ」を創る―語りあい、学びあい、創りあう教室へ
学び・自尊・社会参加―コミュニティ・エンパワメントの構図
希望のインファンスを探る―「臨床教育学」(clinical pedagogy)の根源的な問い
著者等紹介
庄井良信[ショウイヨシノブ]
北海道教育大学大学院・学校臨床心理学講座助教授。1960年、北海道に生まれる。広島大学大学院教育学研究科(教育学専攻)、広島大学教育学部助手、県立広島女子大学生活科学部人間福祉学科助教授を経て、現職。専門は臨床教育学
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感想・レビュー
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ゆう。
4
Ⅱ部構成となっており、Ⅰ部は心に葛藤を抱えた子どもや不登校などの現実を具体的に描いています。Ⅱ部はⅠ部を理論で説明しています。子どもたちの表面上の表出された行動の背後にどのような心の葛藤や揺れがあるのか、掴むことの大切さを指摘しています。また「見捨てられ不安」が人材競争社会の中で、常に大人の評価を受けているからだとも指摘しています。そして、子どもたちの「もごもご」とした発達をとらえるために、ヴィゴツキーの理論の有利性を述べています。理論部分は、少し難しかったですが、臨床教育学の導入書とも言えると思います。2014/01/23
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