出版社内容情報
同時代の哲学書で最もよく知られているのはヒューム『人間の本性について』であるが、この書を公然と批判したのがケイムズ卿の主著である本書である。彼は認識論と道徳論の二方面からヒュームの極端な懐疑思想を批判し、後の常識学派の流れを決定付ける。当時のスコットランド学派の哲学論争を垣間見ることのできる好著である。本邦初訳。
内容説明
ヒュームの哲学を認識論・道徳論の二面から徹底批判したケイムズ。スコットランド学派の哲学論争を垣間見ることができる好著。本邦初訳。
目次
第1部(苦悩の対象にいだく我々の愛着;道徳の基礎と原理;自由と必然;人格の同一性)
第2部(信念;外的感覚;視覚についてのさまざまな理論;物質と精神;力、原因、結果;未来の出来事についての知;暗闇のなかの超自然的な力への恐れ;神についての知)
著者等紹介
田中秀夫[タナカヒデオ]
愛知学院大学経済学部教授・京都大学名誉教授
増田みどり[マスダミドリ]
京都橘大学非常勤講師を経て、現在は独立研究者。2005年滋賀大学経済学研究科博士前期課程修了。経済学修士。2008年京都大学経済学部研究生。専攻は社会思想史、理論経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
26
1779年初出。先入見を去って、心に去来することを公正に扱いすればよい(42頁)。団塊世代への先入見は私には大きいのだが。いずれの上司も団塊だったことでPTSDになっている(学部に院の指導教官、職場の上司とか)。正義は人格と財産と個々人の名声を保護し約束や契約に権威を与える道徳的な美徳である(61頁)。所有の感覚を欠いていたとすれば、原初、人間の状態はどんなものとなっていただろうかを考えること(65頁)。正直や忠実は社会の安寧にとって正義に劣らず欠かせない。裏切りは最も忌まわしい罪(70頁)。2016/06/23
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