内容説明
イスラーム文明は、現代文明の重要な一翼を形成している。本書は、イスラーム「文明」の奥行きと幅広さを、7~10世紀の初期イスラーム文明圏の形成過程に焦点を当て、その根幹をなす特質をクローズアップしつつ総合的に論じたものである。日本を代表するイスラーム研究者の一人である著者の視野は広く、アラビア語原典史資料の探究と国際的な研究の最先端を統合して、ここには日本人による新しいイスラーム学が明確に示されている。
目次
第1章 イスラーム圏の地理的・空間的拡大
第2章 文明的な展開
第3章 文明の形―イスラーム的特質
第4章 共同体と国家の形成
第5章 カリフ制国家の形成と変容
第6章 イスラーム化の進展
第7章 アラビア語の成長と諸科学の形成
第8章 イスラーム法の発展
第9章 イスラームの体系化
終章 その後のイスラーム文明と国家
著者等紹介
小杉泰[コスギヤスシ]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。専門は、イスラーム学、中東地域研究、比較政治学、国際関係学、比較文明学。1953年生まれ。北海道夕張市出身。1983年エジプト国立アズハル大学イスラーム学部卒業。1984年国際大学大学院国際関係学研究科助手、1985年国際大学中東研究所主任研究員・主幹、1990年英国ケンブリッジ大学中東研究センター客員研究員、1997年国際大学大学院国際関係学研究科教授などを経て、1998年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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