内容説明
古代の四大文明のなかで、近代までその骨格が持続したのは、唯一、中国文明であった。とりわけ、上部構造としての「礼制」は、中国文明に固有のものとして清末まで保持された。本書は、前三千年紀から前二千年紀にいたる文明の形成過程を、最新の考古資料を駆使して跡づける。その際、下部構造の「農業」や「生活」に焦点をあて、全体を包括する「社会」の変遷をたどろうとする。
目次
第1章 中国文明とは何か(四〇〇〇年におよぶ中国文明;中国文明の空間動態)
第2章 文明の胎動―紀元前三千年紀の龍山時代(農耕社会の成立;複雑化する社会;地域間交流の拡大)
第3章 文明の誕生―紀元前二千年紀前半の二里頭文化(王朝の成立;中国的世界の形成)
第4章 初期国家の成立―紀元前二千年紀後半の殷周時代(農業生産の発展;複雑化する王都の構造;地方支配の構造;王統と王陵の成立)
第5章 文明・王朝・国家の形成(都市と農村の分化;祭儀国家の成立)
著者等紹介
岡村秀典[オカムラヒデノリ]
京都大学人文科学研究所教授。専門は考古学、中国学。1957年、奈良市に生まれる。1980年に京都大学文学部史学科考古学専攻を卒業、1985年に京都大学大学院博士後期課程を中退し、京都大学文学部助手、九州大学文学部助教授、京都大学人文科学研究所助教授をへて、2005年より現職。京都大学博士(文学)。2000年に第13回濱田青陵賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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