内容説明
巨大な科学界に成長した物理学も人の歴史に他ならない。素粒子物理学の世界を創造してノーベル賞に輝き、戦争による荒廃から復興する勇気を人々に与えた湯川秀樹・朝永振一郎の生誕から百年―豊かな営みとしての科学を再生するために、物理学の巨人を育んだ時代を知り、彼らが時代の負託にどう応えたかを学ぶ。日本の誇る科学の業績が、21世紀に生きる我々にとって持つ意味は何か?日本の誇る科学史を珠玉の評伝として読む。
目次
量子力学と原子核の登場まで
第1部 二人の歩んだみち(生い立ち―物理学に志すまで;湯川の中間子論―未知の荒野へ;朝永のくりこみ理論―場の量子論の完成;戦後の科学復興と平和運動)
第2部 二人の時代(京大教授の息子たち;一中・三高・京大―二人が学んだユニークな学校;量子物理黎明期の日本;拓かれた素粒子の世界)
二人が問いかけるもの
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年生まれ、1960年京都大学理学部卒業、京都大学助手、助教授、教授、京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、甲南大学教授を歴任。一般相対論、宇宙物理を専攻。湯川の全集、ビデオなどを編纂、湯川記念財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しろくまZ
1
家の中で埃を被っていたのを、手にとって読んでみた。湯川・朝永の著作・随筆などをこれから読もうとする人には、一つの手引書として役に立つかもしれない。ちなみに、個人的に目新しいことは何も発見できなかった。両博士の生誕百周年記念企画の著作だし、特段に読む必要はない。直接、両博士の著作・随筆・教科書・論文などを読んだ方がずっと面白い。2012/06/27
hiro-suke
0
はじめてお目にかけたグラビアもありました。朝永博士と湯川博士はいろいろな面で好対照であるというところも再確認することができてよかったです。私は特に朝永博士の著書が気になるので、まだ読んでいないのを順に読んでいきたいと思います。2013/11/30
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