内容説明
化学進化で容易に合成される4種のアミノ酸からなるタンパク質こそ、初めて複製と代謝を行った生命の起源だ―生命起源説の主流とされる「RNAワールド仮説」に真っ向から異を唱え、既存の諸説が抱える様々な矛盾点を説明する「GADVタンパク質仮説」を提唱して話題を呼んだ著者が、初めて書き下ろす生命起源論の新しい展開。
目次
第1章 生命活動の源―タンパク質と遺伝子
第2章 原始地球と化学進化―「GADV」‐アミノ酸の生成
第3章 生命誕生への第一歩―「GADV」‐タンパク質ワールドの形成
第4章 生命誕生への確かな歩み―GNC原初遺伝暗号の成立
第5章 生命の誕生へ―(GNC)n原初遺伝子と生命の基本システムの形成
第6章 生命進化から生物進化へ―生命の基本システムの発展
第7章 多様な生物種の誕生
第8章 「GADV」‐タンパク質ワールド仮説と生命の基本システム
第9章 「GADV」‐タンパク質ワールド仮説とRNAワールド仮説
著者等紹介
池原健二[イケハラケンジ]
奈良女子大学・理学部・化学科・機能化学講座教授。京都大学工学博士。1944年生まれ。京都大学工学部工業化学科卒業。京都大学工学研究科工業化学専攻修士課程修了。京都大学工学研究科工業化学専攻博士課程中途退学。東京大学理学部生物化学教室助手。奈良女子大学理学部化学科助教授を経て現職。その間、アメリカ国立衛生研究所(NIH)に10ヶ月間在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅわっち
1
途中で読むのをやめてしまった。内容は、難しい部分もあったと思う。著者が言うようにrna仮設よりもgadv仮説が細胞誕生時から説得性はあった。しかし、生命の神秘を解明になるかを知りたくて読んでいたが、ちょっと方向性が違いました。好きな人は好きかもしれません。2018/08/15
Shotaro
0
DNAとタンパク質の「卵が先かニワトリが先か」問題について、初期生命では遺伝情報と触媒の両方の機能を持つRNA分子が生命機能の大部分を担っていたとするRNAワールド仮説が広く支持されている。しかし筆者はそれを否定し、非生物的にできたアミノ酸がランダムに結合してできたタンパク質が初期生命の機能の中心だったとする説を唱えている。GADV仮説というオリジナルなアイデアを通して遺伝暗号の成立、代謝の起源、進化の仕組みといった生命の基本的な原理を統一的に説明する試みは面白い。斬新な視点がいくつもあり勉強になった。