内容説明
天然資源を誰が管理するのか―権威的支配が崩壊し、社会的亀裂を抑えてきた圧力が解かれた今、インドネシアは、新たな不安定要因を抱えている。しかし、対立が暴力に及ぶ地域もあれば、そうでない地域もある。インドネシアの中でも最も資源豊かでかつ多民族・多宗教社会であるカリマンタンを舞台に、暴力政治を回避する途を探る。
目次
序章 資源国における天然資源と暴力
第1章 暴力・天然資源・地方政治
第2章 カリマンタンの民族紛争
第3章 スハルト時代における権力と資源の分配
第4章 民主化・地方分権化後の地方首長の変化
第5章 東カリマンタン州の地方政治・経済構造―中央政治に翻弄される州政治エリートたち
第6章 中カリマンタン州の地方政治・経済構造―地元実業家の政治的台頭
第7章 西カリマンタン州の地方政治・経済構造―群雄割拠する中小規模の地方有力者たち
終章 資源産出地域における政治と暴力
著者等紹介
森下明子[モリシタアキコ]
1977年、和歌山県生まれ。2006年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(東南アジア地域研究専攻)修了。日本財団アジア・フェロー、日本学術振興会特別研究員(PD)、在マレーシア日本国大使館専門調査員、京都大学東南アジア研究所特定研究員などを経て、2014年より京都大学学術研究支援室リサーチ・アドミニストレーター。博士(地域研究)。主なフィールドはインドネシア及びマレーシア政治研究。専門は資源・環境政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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こずえ
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