内容説明
人は土地や自然と関わり合う…当たり前の事実であるが、文化人類学を含む人文諸科学は、これまで多くの場合、土地/自然を抽象化された表象、制度化された形式としてしか扱わなかった。直接的な土地利用から、地図や歴史的空間認識といった表象過程まで、生の自然が人間の生活に関与する具体相に迫り次世代の人類学を模索する意欲作。
目次
第1部 環境との交渉のありか(鳥のお告げと獣の問いかけ―人と自然の相互交渉;「世界と直接出会う」という生き方―「東アフリカ牧畜民」的独自性についての考察)
第2部 活動空間を知る技法(世界最古の地図を「読む」―ベドリナの“地図”の時空間情報解析;ドドスにおける外界認識と行為の現場;「リニアな空間」―イバンの行動環境における線形表象に向けての序説;言葉の向こう側―セントラル・カラハリ・サンにおけるナヴィゲーション実践)
第3部 土地に刻印される生活世界(予測する遊牧民―モンゴルにおける冬営地をめぐる環境の認識と利用;「ミオンボ林ならどこへでも」という信念について―焼畑農耕民ベンバの移動性に関する考察;パプアニューギニア高地農耕の持続性をささえるもの―タリ盆地における選択的植樹と除草;「出来事」のエスノグラフィー―南タイにおけるエビ養殖という投機的行為の流れ;ケニア・ルオの生活居住空間(ダラ)―その形成と象徴的意味の変化)
第4部 時空を越えゆくモノたち(在来家畜の商品化―沖縄在来豚「アグー」の復活;座敷箒は消え行くものなのか―手技という資源の見直し)
著者等紹介
河合香吏[カワイカオリ]
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教授。1961年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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