内容説明
マクロな観察を旨とする生態学や動物行動学。しかし、観察・解析だけでは父子判定や進化系統の解析等、個体間、個体群間、種間の関係は分からない。遺伝子解析による評価が不可欠なのだ。京大霊長類研究所の「竹中スクール」が世界をリードした、ミクロな方法とマクロな方法の融合が開く、新しいフィールド科学の可能性を示す書。
目次
1 タンパク質化学(ウシのヘモグロビンのアミノ酸配列から系統関係を調べる;増殖するタンパク質、プリオン)
2 DNAによる父子判定(霊長類の行動の背景にある遺伝子を探る;パタスモンキーの社会と父子判定 ほか)
3 DNAによる地域変異と系統関係(ゴリラのフィールド遺伝学;スラウェシマカクの形態学的特徴―生体計測特徴)
4 DNAでわかったこと(サルで色覚異常を探す;DNAを用いた鳥類の性判別と排泄物からのDNA抽出 ほか)
5 フィールドワーク(スラウェシ調査行;栄養素の小窓から―フィールドと実験室を結んで)
著者等紹介
村山美穂[ムラヤマミホ]
岐阜大学応用生物科学部助教授
渡邊邦夫[ワタナベクニオ]
京都大学霊長類研究所附属ニホンザル野外観察施設教授
竹中晃子[タケナカアキコ]
名古屋文理大学健康生活学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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