内容説明
国教イスラームへの改宗と「同化政策」を強力に進めるマレーシア。「森の民」として汎神論的世界に生きてきた先住民オラン・アスリは、その国家政策の下、どのようにしてアイデンティティを守ろうとしているのか。その「抵抗」の様は、文化/宗教的な覇権争いと経済開発と結びつく現代世界に共通する問題を、鮮やかに象徴している。国教としての世界宗教に浸食される汎神論世界。森の民の今を克明に描く、21世紀の民族誌。
目次
第1部 オラン・アスリの概況(オラン・アスリ―森、開発、イスラーム化;オラン・アスリの歴史とオラン・アスリ政策)
第2部 ドリアン・タワール村の生活世界(ドリアン・タワール村の“風景”;ドリアン・タワール村の歴史;ドリアン・タワール村の社会関係;ドリアン・タワール村の経済関係;森を再利用する人びと)
第3部 イスラーム化をめぐる出来事(解決されないインセスト;「間違った結婚」をめぐるポリティクス;改宗と抵抗;する側の論理とされる側の論理;結論)
著者等紹介
信田敏宏[ノブタトシヒロ]
国立民族学博物館助手。1968年東京都生まれ。1992年東京都立大学人文学部卒業。2000年同大学院社会科学研究科社会人類学専攻博士課程単位取得退学。2002年同大学院社会科学研究科より博士(社会人類学)を取得。東京都立大学人文学部助手(2001年より)を経て、2003年より現職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 信州 ミニガイド