出版社内容情報
約五万首に及ぶ唐詩に統一的な文学論はない。陳子昴と釈皎然の対照的な文学論を取り上げ、復古・創新という対立項から二人の文学論を読み直し、唐代およびそれ以降の中国文学の展開を読み解くための基準を提示する。
内容説明
唐代の文学者は、その豊かな実作ほどに、体系的な理論を伝えない。陳子昂をめぐる言説と釈皎然らの詩論を取り上げ、復古・創新という観点から当時の文学論を読み直し、唐宋以降の中国文学の展開を読み解くための視座を提示する。
目次
序章 唐代文学理論研究の新たな視座と材料を求めて
第1章 盧蔵用が抱いた文学観と陳子昂像の形成―詩人と伝記作者
第2章 唐人の意識下における陳子昂―「先達」への眼差し
第3章 宋人の見た陳子昂―続「先達」への眼差し
第4章 通史から見た唐代の文学史観―歴史を書く人々
第5章 唐代「詩格」研究序説―「詩学」成立への一過程
第6章 皎然『詩式』の構造―摘句と品第
第7章 皎然の文学史観―「今人」も「古えに及」ぶ
第8章 皎然の詩論と唐代の文学論―同じものと違うもの
第9章 『吟窓雑録』小考―詩学文献としての性格を探る試み
終章
著者等紹介
永田知之[ナガタトモユキ]
京都大学人文科学研究所准教授。1975年奈良県生まれ。1998年京都大学文学部卒業(中国語学中国文学専攻)。2005年京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学(中国語学中国文学専修)。2008年京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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