内容説明
近代を通じて顕著であった地方から大都市への人口の流れは、1970年代、ほぼ世界同時に逆転し、さらに80年代、地方から都市への流れが、やはり世界同時に強まった。地理的・文化的に遠く離れた国々で、なぜ、かくも見事に同様の流れが見られたのか?各国の人口データを共通に評価する方法を提示し、人口移動転換の国際比較研究の道を示した上で、明らかにされる共通の要因―人口学的要因・経済的要因―は、人口移動転換の今後を予察し、産業立地・地方経済の開発をはじめとする中央・地方の政策決定を進める上で、非常に示唆的である。
目次
空間的相互作用の動態モデリング
センサス人口移動データの年次間補正に関する方法の理論的背景
センセス人口移動データの年次間補正に関する方法の適用
近畿における年齢階級別人口移動の変化
近年における東京大都市圏の人口移動変化
人口移動転換に対する人口学的要因の貢献―日本・スウェーデン・カナダの事例
人口移動スケジュールの変化からみた人口移動転換―日本・スウェーデン・カナダの事例
わが国における今後の人口移動
著者等紹介
石川義孝[イシカワヨシタカ]
京都大学大学院文学研究科教授。1953年、岩手県に生まれる。京都大学大学院博士課程中退。博士(文学)。京都大学助手、奈良大学講師、大阪市立大学講師、同助教授、京都大学助教授を経て、現職
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