内容説明
「人類学的アプローチ」と「霊長類学的アプローチ」―故今西錦司は、人間社会を解明する道として、この2つのアプローチを提起した。ホミニゼーション研究は、この「霊長類学的アプローチ」の典型として、日本が世界に誇るユニークな学問、生態人類学の発展をリードしてきた。その長期にわたる研究史の上に立ちながら、分岐系統学的アプローチ、社会構造、性の多様性、道具使用の進化、食物分配と経済の起源など、幅広いテーマで、人類進化研究の最前線を紹介する。
目次
第1章 共通祖先の社会
第2章 人間の本性は悪なのか?―ビーリャの社会からの検討
第3章 “隠された”排卵―失われた発情、あるいははてしもなく続く“性”をめぐって
第4章 霊長類の結び付きネットワーク―「われわれ」
第5章 サルの同性愛論
第6章 霊長類における採食技術の進化
第7章 霊長類における食物分配
著者等紹介
西田利貞[ニシダトシサダ]
1941年生まれ、京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。京都大学大学院理学研究科動物学教室教授。関心分野は社会行動の進化、ヒトの行動の生物学的起源
加納隆至[カノウタカヨシ]
1938年生まれ、京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学、理学博士。京都大学名誉教授。関心分野は類人猿の社会行動、ヒトの社会進化
高畑由起夫[タカハタユキオ]
1953年生まれ、京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。関西学院大学総合政策学部教授。関心分野は社会行動・性の進化
榎本知郎[エノモトトモオ]
1947年生まれ、京都大学大学院理学研究科博士課程中退、理学博士。東海大学医学部形態学部門助教授。関心分野はヒト性現象の由来、霊長類の性‐社会性行動の進化
山極寿一[ヤマギワジュイチ]
1952年生まれ、京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。京都大学大学院理学研究科動物学教室助教授。関心分野は類人猿の行動、社会の進化、初期人類社会の復元
山越言[ヤマコシゲン]
1969年生まれ、京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科助手
保坂和彦[ホサカカズヒコ]
1967年生まれ、京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。京都大学霊長類研究所COE研究員
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