内容説明
速く食べられるものが良い食物？速く食べられる場所が良い環境？サルの食べる速さにこだわって研究を進めてきた筆者の研究を中心に、食べる速さにより何が明らかになるか、サルにとって食べる速さがいかに重要な意味を持つのかについて論じる。
目次
第１章 さまざまな出会い―人、対象種、専門分野、調査地、そして採食速度
第２章 生息環境の質を表す尺度としての採食速度
第３章 食物パッチの質を表す尺度としての採食速度
第４章 食物の質を表す尺度としての採食速度
第５章 食物摂取量を推定する尺度としての採食速度
第６章 採食速度の個体差
第７章 社会に影響を及ぼす採食速度
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅう（callette）
2
ニホンザルを進化学ではなく生態学を軸として研究して書かれた本。採食行動に焦点を当てているのだけど、その中でも特にそれまで注目されていなかった採食速度の重要性や面白さを説いている。統計的手法をわかりやすく説明してくれているのが個人的に嬉しかった。法則性を見出だすために要素を洗いだして数値化することは、みんなに「面白い！」を示すためにとても有効な手段なんだな。その導き出し方もはっきり示されているから説得力がある。2014/04/15
