内容説明
王政期から著者同時代のアウグストゥス期に至るローマ史を編年体で叙述した大作。前326‐293年に相当する本分冊では、第二回サムニウム戦争の開始からカウディウムの屈辱を経てローマの勝利による終結、また第3回サムニウム戦争の開始からセンティヌムにおけるデキウス・ムスの自己犠牲による勝利など、ローマがイタリア半島に覇権を拡大していく過程が扱われる。本邦初完訳。
著者等紹介
毛利晶[モウリアキラ]
神戸大学名誉教授。1947年京都府生まれ。1979年東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。1983年マールブルク大学博士(Dr.phil.)。1999年静岡大学人文学部教授を経て神戸大学文学部教授。2012年神戸大学定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
著者は本書の序で、700年を経て巨大な体で喘ぐかのかのような現在(著者の生きる)のローマを悲哀の語調で語り、その過去に思いを馳せた。都市国家からラテン同盟を作った前巻に続き、本巻は前4世紀後半のサムニウム人の部族連合とローマらの同盟国家が対立する。ローマ側がアドリア海に達し、アッピア街道が建設されると半島の勢力図が明確になる。一方、帝国の基盤を作ったというこの戦争後、重装歩兵出身の平民が優遇され、有力者が出てくると、市民の格差が拡大する。戦争演説や勝利の凱歌の声は、理不尽さを訴える演説や不満の声に変わる。2022/07/15
-
- 和書
- 女医が教える女のからだ