内容説明
複雑な関係の連鎖としての現代から議論しようとすると、(制度)の本質には迫れない。サルとヒトの共通祖先にまで遡って捉えてこそ、それは見えてくるのだ。言語を媒介しない「自然制度」にまで一旦遡行し、そこから、狩猟採集社会、より近代的な社会へと分析することで、制度の起原に迫り、更にはヒトの社会関係の本質を捉えようとする秀作。
目次
「集団」から「制度」へ―人類社会の進化史的基盤を求めて
第1部 制度の生成機序(制度が成立するとき;死という制度―その初発をめぐって ほか)
第2部 制度表出の具体相(アルファオスとは「誰のこと」か?―チンパンジー社会における「順位」の制度的側面;共存の様態と行為選択の二重の環―チンパンジーの集団と制度的なるものの生成 ほか)
第3部 制度進化の理論(制度以前と以後を繋ぐものと隔てるもの;役割を生きる制度―生態的ニッチと動物の社会 ほか)
第4部 制度論のひろがり(感情のオントロギー―イヌイトの拡大家族集団にみる“自然制度”の進化史的基盤;「感情」という制度―「内面にある感情」と「制度化された妬み」をめぐって ほか)
著者等紹介
河合香吏[カワイカオリ]
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授。1961年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
7
制度は非常に興味のあるトピックの一つです。ホホホイホホホイホホホイホイ!2014/03/12
在我壷中
1
私には将に「政治学や経済学と云った狭い意味での社会科学の分野を始めあまたある制度論とは大きく異なる内容」『制度原論』をと手にしたのだが、「日本語と西欧語(例えば英語)ですら重なったり、重ならなかったりしつつ」と。其処で、私には日本語で『制度』を読んでみようと進めることに。『死は何処から何処までが制度か』そして『老女は自殺したのか』今村仁司に「人間は自己否定的行為そのものである」「人は人間である為に死すべきである」と「死ぬことは出来ないし、死んではならない」と。ただ、日本語の制度であるなら何故日本人の死をと2013/07/30
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