内容説明
戦争の時代であった日本近代において、馬は特に戦争との結びつきが強く、それゆえ劇的な変化を遂げた存在であった。軍馬の造成を目的とした大型化が実行され、在来種血統が一気に淘汰されたのである。その急激な変化は、馬を生産・利用する農民の経済的犠牲の下で実現されたものであった。「馬」を軸として、農業史と軍事史を有機的に結んだ意欲作。
目次
序章 軍馬となった日本の馬
第1章 第一次馬政計画期(1906‐35年)の東北産馬業
第2章 馬匹改良政策の展開―馬政計画第一期(1906‐23年)の青森県上北郡
第3章 馬匹改良政策の綻び―馬政計画第一期末の秋田県における重種流行
第4章 軍馬資源確保と農民的馬飼養の矛盾―馬政計画第二期(1924‐35年)の使役農家経営
第5章 軍馬需要の変化と東北馬産―馬政計画第二期(1924‐35年)の馬産農家経営
補章 共進会制度からみた馬匹改良政策の変遷
終章 総括と展望
著者等紹介
大瀧真俊[オオタキマサトシ]
京都大学農学研究科研修員。1976年生まれ。静岡県出身。京都大学農学部生物環境科学科卒業、同農学研究科生物資源経済学専攻博士課程単位取得満期退学、博士(農学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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