内容説明
ボルノウの教育理論をハイデガーの存在論の視座から批判的に検討し、有用性や価値に還元できない人間存在の奥行きに関わる新しい教育学の構築をめざす。
目次
第1部 ボルノウ教育学の再考―ハイデガー哲学との関係を軸に(有用性の尺度に規定された方法論―O.F.ボルノウ「教育学における人間学的な考察方法」再考;生の危機と生の成熟―O.F.ボルノウ「生と教育の非連続的な形式」再考;希望と不安の相互関連―O.F.ボルノウ「希望の哲学」再考;「住まうこと」と世界の奥行き―O.F.ボルノウ「新しい被護性」再考)
第2部 存在論と「宙吊り」の教育学―ボルノウ教育学の再興に向けて(存在の真理と転回の思索―M.ハイデガー「存在の問い」を解きほぐす;存在論に立脚した教育理論の来歴―「有用性と価値の教育」に対する問いかけ;「知の宙吊り」という方法―「存在の問い」を規定する探究方法の変遷;宙吊りの教育学の構想―ボルノウ教育学の再興に向けて)
O.F.ボルノウ『練習の精神』とメビウスの輪
著者等紹介
井谷信彦[イタニノブヒコ]
武庫川女子大学文学部教育学科講師。博士(教育学)。2011年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程(臨床教育学講座)研究指導認定退学。同研究科助教などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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