内容説明
民主主義の雄ペリクレスをはじめ、アルキメデスを不幸にも殺害した軍人など、様々な逸話で人物像を探る。
目次
ペリクレスとファビウス・マクシムス
アルキビアデスとコリオラヌス
ティモレオンとアエミリウス・パウルス
ペロピダスとマルケルス
著者等紹介
柳沼重剛[ヤギヌマシゲタケ]
筑波大学名誉教授。1926年東京都生まれ。1949年京都大学文学部卒業。筑波大学・大妻女子大学教授を経て1999年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
ギリシャとローマの創始者から始まった本書は、本巻で、国家と指導者についてその能力が対比され、ポエニ戦争時にローマに勝利を導いた者、その逆に国家を危険に晒した者、アテナイやテーバイを全盛に導いた者を挙げる。一方、指導者の生活の節制/放蕩を記し、戦争での国家の強化から平和主義へ向かう指導者像も描く本書の背景には、プラトンの哲人統治のフレームが見える。他方、道半ばで悲劇的死を迎える指導者についてはギリシャ悲劇を思わせる筆致も見られ、理念でなく人間として生きる上での倫理実践として指導者像を描いているように見える。2022/05/31
ハルバル
3
国家の守護者「ペリクレスとファビウス・マクシムス」、国家の裏切り者「アルキビアデスとコリオラヌス」、凱旋将軍「ティモレオンとアエミリウス・パウルス」「ペロピダスとマルケルス」収録。世界遺産でアテネ観光の目玉パルテノン神殿を造営し、ペルシャ戦争後のアテネ黄金の50年を象徴する、ギリシャ史の超重要人物ペリクレスは必読。アルキビアデスはペリクレスの血縁者で有力貴族だが…まぁ滅茶苦茶な人物です。第二次ポエニ戦争時のローマの剣と盾として有名な二人など読み応えのある巻だった2014/10/08