内容説明
真理とは何か、その基準とは、その証明とは―。懐疑主義の論敵の議論も含めて、哲学の精髄を一冊に凝縮。本邦初訳。
著者等紹介
金山弥平[カナヤマヤスヒラ]
名古屋大学大学院文学研究科教授。1955年、島根県生まれ。1986年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。2000年京都大学文学部助手、名古屋大学助教授を経て現職
金山万里子[カナヤママリコ]
大阪医科大学教授。1942年北京市生まれ。1975年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。2005年京都大学文学部助手、大阪医科大学助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
3
本書では論理学者への論駁が展開される。「ドグマティスト」と呼ばれる彼らの懐疑も懐疑主義の批判対象となる。「ドグマティスト」の懐疑は、二項原理によって知識全てを否定する極端な方向に向かう。なぜなら、論理は、言語によって経験を世界に投射したものを宇宙と見なすからだ。一方、懐疑主義は知識を全否定しない。世界と経験を区別し知を知覚経験に留め、それ以上は判断停止する。著者にとって哲学は医学的治療とアナロジーを成す。ここから懐疑主義は生命体つまり動物としての人間という言葉と思考を扱う論敵を戸惑わす規準を自らに見出す。2017/03/07