内容説明
「田園詩」の模範とされ、近代芸術にも影響を与えたラテン文学黄金時代の精華の詩集。
目次
牧歌
農耕詩
著者等紹介
小川正広[オガワマサヒロ]
名古屋大学教授(大学院文学研究科)。1951年京都市生まれ。1979年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。京都産業大学助教授、名古屋大学助教授を経て、1996年現職
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
自然のランダムさを周期と解して生きる人間は、戦争でその周期が壊され土地を奪われると、剥き出しのランダム性に連れ戻される。牧歌と農耕詩は、ラテン語の韻を踏みつつ自然の円環的時間と人為の直線的時間を交錯させる。森に入り葦笛を吹く男の夢想は神話の知をまとって歌や音楽に変わり、一定の調子を作っては乱調を来たす。不幸な死を遂げた牧人ダフニスを連れ戻そうとする挽歌には、アポロ(太陽)と大地の幸福な調和(ハーモニー)のビジョンが重なる。モンテーニュが賞賛したのは、ランダムな世界で調和を求める矛盾した人間の生なのだろう。2022/06/07
Saiid al-Halawi
6
「夏は雨が多く、冬は晴れ渡るように祈りなさい、農夫たちよ。」 農耕詩 第1歌 L.1002012/11/04
有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
「牧歌」と「農耕詩」は叙事詩『アエネーイス』と並ぶウェルギリウスの代表作である。もちろん田園風景を描くだけならギリシャ時代にあった。ウェルギリウスはそれらを踏まえながらのどかな田園風景、農作業を描きつつ、当時の政治情勢を盛り込んだ。カエサル暗殺や内乱による農地没収……。平和への願いが汲み取れる。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51523824.html2022/03/29
miolmor
0
近代語訳が数多あるなかで日本の研究水準を訳詩と独創的な脚注とで示す2013/01/27
Hiroshi Higashino
0
このあたりの古典は文章表現の巧みさみたいなところが面白いと思う. ただいつも思うが、この分野は十分に楽しめない感じがある.2020/01/18