目次
エピクロスに従っては、快く生きることは不可能であること
コロテス論駁
『隠れて生きよ』について
音楽について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
7
エピクロス派を批判する論文3本と音楽論1本(ただし、偽作)。エピクロス派を批判する論調は前巻のストア派批判と軌を一にしていて、秩序有る世界とそれを支える神々への信仰を失っては善く生きることは出来ない、という考え方に立っている。極端な観念論や相対主義、虚無主義を慎重に遠ざけるプルタルコスの穏健な思想はその人柄に根っこがあるんだろうなぁ、と思いました。2024/07/28
roughfractus02
7
全巻の末尾を飾る本巻は、古代アレクサンドリアのストラトン(アリストテレスに師事)の無神論と比較しながら、世界創造を原子から始めるエピクロス哲学の批判が展開される。プラトンのアカデメイア派を自称する著者だが、エピクロスの原子論よりもプラトンのイデア論に加担するというのではなく、抽象化は異なるもの同士に共通概念を見出すためにあり万物は自然に備わる素質(φύσις)に則って世界にあるとする、経験科学的な立場を表明する。なお、神話から音楽が生じその「ノルム」(規則)は後々形成されるとする音楽論は後世の作だという。2019/06/27
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