内容説明
地域を、地球全体の座標の上に置いたとき、はじめてその外郭と実質が見えてきた。例えば、東南アジアを専門とする者と中東を専門とする者とが、それぞれの地域の生態、歴史や社会構造等を、相互に観、あるいは照らして論じあう。すると前者は生態・風土に拘束された世界(属地的地域)であり、後者は、大文明を背景にした人間の強い紐帯でまとめあげられた世界(属人的地域)だったことが見えてきた。「地域間比較」の視点と方法を、地域研究の第一人者たちが直接に討論しあいながら示した好著。
目次
序章 「地域」どうしを「比較」する―地域間研究の動機と方法(「総合的地域研究」とは;地域間研究でわかったこと;地球世界の構造を描き出す ほか)
第1章 東南アジアと南アジア(「世界単位」と南アジア;世界単位は有効か?;「上からのアーリア化」と「ヒンドゥー世界」の形成 ほか)
第2章 東南アジアと中東(「風土の変貌」から見た中東と東南アジア;風土と「社会的練度・生態的練度」;都市とネットワーク ほか)
第3章 東南アジアとアフリカ(スワヒリ世界の歴史と展開;東南アジアには混血文化はなかったか?;西アフリカの地域構造と世界 ほか)



