内容説明
近代経済学の終焉が宣告され、凡ゆる経済理論が批判にさらされて久しい。だがスラッファだけは、自由であるかに見える。スラッファの可能性の秘密を問う。
目次
スラッファ研究へのプロローグ
金融市場のヴィクセル型調整機構
ケインズ『貨幣論』の世界
ハイエクの貨幣経済的モデルと自然利子率
物価安定と利子率―スラッファのヴィクセル・ケインズ批判
貨幣的均衡の多数性
金融市場のケインズ型調整機能
スラッファ分配論の基礎
スラッファ型モデルの構成―経済行動における自由と必然
世界の二つの見方―ウィトゲンシュタインとスラッファ
グラムシの思想とスラッファ―決定論と個人の自由