内容説明
なたを一丁こしにさげ風のふくままきのむくまま風来坊はひとり旅。ところがどっこい、こんどはそうでもなさそうだ。火につつまれた村の中だれがたすけをまっている。いそげ!風来坊―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lesen
15
旅の途中、戦火につつまれた村で赤ん坊を助け出した。赤ん坊との子連れ旅。これは、良い話ですね~。泣かせます。これだけ一緒に居たら離れがたくなります。どのシーンも情が篭っていて好きだな。そして、風来坊の後姿がまた切ない。2015/10/28
baアタマ
9
1991年。風と坊が仲良しなだけに(星空の下で眠ってしまった坊に小さな風がむしろをかけてやる姿がいぢらしい)、別れの時黙って立ち去る坊がカッコいい…「泣くな!泣くな 風」 とにかくマッチョで心優しい風来坊のお坊さんでござった。(涙) 2015/10/29
akane_beach
7
初読みが、リニューアル版のほうで、まだ手元にあったので、このオリジナル版と見比べて楽しめた。絵に勢いがある。夜中の空に星が増えてる場面などは時間の経過が分かり描写が細かい。昔の絵本は文節ごとに区切られていたのかな。そういえば自分の小学校低学年の時の教科書はこんな感じだった。今の小学校はどうなんだろう。風(ふう)と過ごした3年間。別れが辛くてさよならも言わずに去った風来坊だけど、何年か経ってまたふらりとだんご屋さんに立ち寄って、大きくたくましい青年になった風(ふう)と再会してるといいなと思った。2017/12/11
遠い日
7
なんと情の厚い風来坊だろうか。戦のさなか、燃え盛る火中から助け出した赤ん坊を育てながらの、旅暮らし。鉈一丁で木彫りの生業。風(ふう)と名付けた子を連れて、親を探して歩く日々。いつかと信じるその気持ちが揺らぐこともあっただろう。情が深くなれば、別れのつらさを思う日もあっただろう。この子の幸せだけをひたすら願った別離は潔いが、風来坊の心中を思えばつらさ悲しさに胸を裂かれそうだ。余韻の残る後ろ姿が目に焼きついて離れない。2014/08/19
ヒラP@ehon.gohon
7
戦火の中から泣き叫ぶ赤ん坊を助け出した風来坊。 赤ん坊の親を探しつつ子どもを育て続ける風来坊。 シリーズの中で一番人情味のある作品です。 子どもにとっては風来坊が親であり、実の親に対する実感が持てません。 でも、尋ね歩いて茶店を営む両親に巡り合うことができました。 子どもを残して走り去る風来坊。 子どもの思い、風来坊の思い、そして実の両親の思いが切なくこだまするようなシーンに熱いものを感じました。 2013/05/07